20のお手伝い

今日は関宿で20のお手伝い。朝歯医者の用事を済ませてからGOです。
当地は雨の予報で、誰もいない関宿でした。僕が独身で飛んでいた頃、雨の日に行っても誰かしらいて楽しかった記憶があるのですが・・もうそんな雰囲気はないのですね。
一時期板倉にVISITERで飛んでいた時も同じように感じたことが記憶に残っていて、その頃から変わっていったのかなぁと思うと少し寂しい気がしました。

抱えている問題の解決案の検討。
耐空検査員のアドバイスは翼のみを左右つなげてその状態の寸法を胴体に反映させればよい、とのこと。ごく当たり前の指摘です。(当然ですね。)
ただ、それには測定器具が現状ないので・・オーナーは考え中のようです。

だから、今日はその前に
1、新しい部品にした部分の組み付けを再度見直して当たりを取って組み直し
2、ほかに干渉しているところはないか見直し
3、1と2をやって再度組んでみて状況に改善がみられるか検討。
をしてみることに。今日は涼しいし、飛ぶわけではないし屋根の下なのでゆっくり考えながらやってみることにしました。

で、1ヶ所外れるところを外して再度検討・・当たりとか付着物を清掃してみましたが、あまり変わらなさそう。胴体の面までリフトピンを挿入するパイプの端面は露出していてきちっと圧入できていれば問題なさそうにも見えます。

f:id:zawasi:20200912192058j:plain

一度翼を組んでみましたが・・あまり改善がない感じ。なんとか向かって右(左翼側)のピンを引っ掛けることができて、左を合わせてピンを入れてみましたが、ピンのテーパー部を越えられません。
その状態で機体の外観をつらつらと眺めると、なんとなく翼と胴体の隙間が詰まらない、以前僕が飛ばしていた頃の記憶の隙間より広い気がして・・翼と胴体の合わさる部分の塗料の回り込みとかを観察してそれがあれば取ってみましょうと提案、やってみることになりました。

#400の粗めのペーパーを使って目視でFRPの地の上に被っているウレタン塗料を削り取ります。
そうしてからもう一回組んでみたら「昔のように翼が胴体のリフトピンに「カツン」と当たる感触が戻ってきた」とはオーナーの言。
また、この時点でメインピンを入れてみるとさっきよりましになりました。がまだテーパー部から抜け出せず、ピン表面についたグリスの挿入痕を追ってどれくらいの径のところで止まっているか測ってみたら、ノギスで-0.4mmのところでした。ということは、あと最低0.2mm 寄せれば入らないことはないかも・・ということかな?。
そのまままたつらつらと観察すると・・左翼の下面の前縁側の隙間が異様に狭いことを発見。外に出ない部分の胴体の塗装も少し薄くしてみることを提案してやってみることにしました。

そうしたら少し翼と翼が近づいて、向かって右のメインピンはシャンクの部分まで掛かり、左のメインピンもシャンクの部分にまでぎりぎり掛かるかどうか?ぐらいのところまできました。ただ、そこから先へはテコでも動いてくれない感じ。

f:id:zawasi:20200912194021j:plain f:id:zawasi:20200912194045j:plain

↑右(左翼側)は結構あっている  ↑左(右翼側)はあっていない

ここでお昼。

お昼が明けて、一連の機体のオーバーホール作業をお願いした会社の社長さんに加わって頂いて続行。

状況を説明するのだけれど、なかなか真意を理解してくれない・・組めるならそれでいいでしょ的な・・、なので組みバラしの困難さを実感していただいて問題の本質を理解していただくことにしました。最初は渋っていましたけれど納得して頂いて作業続行。

組みバラし時に翼端を持つことは久しぶりで結構きつかったのですがその甲斐あってとても組めないことを実感していただけたよう・・。

社長さんの提案で翼だけで組んで問題がないか確認することになり・・。

f:id:zawasi:20200912204618j:plain f:id:zawasi:20200912204648j:plain

問題なさそうです。めずらしい翼だけで組んだ風景。

その後、社長さんがもう一度組んで上反角をきつめにして組めるかやってみたいとおっしゃるのでやってみることにしました。その後抜けてしまった右翼前縁側のリフトピンのワッシャーを抜いて組んでみることを提案して、オーナーと社長さんに了承してもらいました。

上反角をきつめにして、押し込むように翼を押してみても・・状況は全く改善しませんでした。

そして、今度はワッシャーを抜いて組んでみることに。
これまでの状況・・
1、前縁側のピンが抜けてくる→前縁側に圧縮荷重がかかっていたから?
2、メインピンを抜くときに、翼端を持っていると必ず前進方向へ翼が動く
   →前縁側圧縮で後縁側引っ張りの状況が解放されて引っ張られている
    側が解放されて広がる→翼端で前縁側へ動く、との推定
・・から、前縁側のリフトピン間の寸法が後縁側のそれよりも広いのでは?と感じていたからです。
片側だけでも寸法が詰まれば状況は改善されるのではないか?と思って・・。
問題点としては、翼の前進後進方向の隙間が増えてがたつきが生じ高荷重時(ウインチ曳航時や高速飛行時)に異音や振動の原因になる可能性がありました。

f:id:zawasi:20200912205154j:plain

↑このピンのフランジと胴体の間にある厚さ2mmくらいのワッシャーを抜いて組んでみました。

果たして然り。
メインピンはこれまでと比べたら呆れるほどスムーズに入りあっさりと組むことができました。
組まれた状態で機体の外観を観察すると・・翼の左右の付け根の隙間に差がみられました。

f:id:zawasi:20200912210655j:plain f:id:zawasi:20200912210536j:plain 

↑右翼は隙間が少ない       ↑左翼は隙間が広い

全体として翼が中心からほんの少し左へ移動したのではないか?と推定。
この差を埋めるために左翼側に現在ついている2mmのワッシャーを1mmに減らし、右翼にもワッシャーを入れて0mmから1mmにすることで左右均等に翼を取り付けられるのではないか、と提案し、そうすることになりました。
それでうまくゆけば、4箇所のリフトピンを全部抜かずにすみ左翼前縁側の1カ所のみあらたに外してワッシャー交換すれば済むので、作業の負担も減ります。
翼にフリクションを与えてガタがあるかみてみましたが、あまり感じられなかったのでこの問題は大きくなさそうです。
また、メインピンを外したときに翼が前進側に動くこともなく、変な力がかかっていなさそうなことも判りました。

ワッシャーが来たら続きをすることにして、今日は解散になりました。

ワッシャーが来て、取り替えて、すべてうまくゆくとよいなぁ、と思います。

それにしても20はかっこいいなぁ。

f:id:zawasi:20200912213124j:plain