グライダーの競技会

グライダーの競技会でいい成績を残すには、そのレベルの競技会で平均してよいスコアをあげ続ける必要があります。
この話の前提として、その競技会の開催期間中十分な合計距離を飛べる気象条件であること、できれば毎日タスクが設定され、競技が成立することですけれど。
グライダーの競技のスコアは、通常1000点を満点とする速度を中心とした評価になります。スコアは幸運な選手に有利にならないように、その日のタスクを達成した人が少ない場合満点が1000点以下の調整された点になるようになります。
そうすることにより、その選手が平均して出せる最高速度がその選手の合計点として表現されるようになり、客観的かつ公平な結果になります。
(うーん、言葉で書くのは難しい・・。)
普通の競争のように一斉スタート・1番早い人が1番先にゴールする試合とはちょっと違いますね。

実際にやってみればわかるのですが、決定的なミスを1回もしないことがどれくらい大変なことか、平均してよいスコアを並べるのがどれほど厳しいことか・・。
実際のスコアを見てみましょう。2006の世界選手権18mクラス。
トータルリザルト→http://www.wgc2006.se/wgc/18-meter/18-meter.htm
上位12人が7000点台。1位と12位のスコアの差は10%程度と少ないですね。ちなみに12位は日本の市川展選手です。22位の選手に注目。2回1000点(満点)を出しているがDAY2に致命的な失敗をしています。どうも早々にアウトランディング(タスク続行を諦めて途中で着陸すること)してしまったようですね。これでもうおしまいです。→http://www.wgc2006.se/wgc/18-meter/665_18-meter.htm
DAY9(成立9日目)のスコア→http://www.wgc2006.se/wgc/18-meter/66G_18-meter.htm
ほとんどの選手はタスクをクリア。トップとゴールした一番遅い選手の差は速度で21km/h弱、得点で約400点。(400点を1日で差をつけられてしまったら挽回できませんね。)

このように、トップレベルの競技会は1日の飛行距離も長く、競技が成立する日数も多く、選手のレベルも揃っていて、そんなに差がつかないものなのです。

ついでに、最近の日本での競技会をひとつ。2001年の日本選手権です。→http://xc-compe.japan-soaring.org/nationals/2001/ConCalc_SYE2001_COMB.PDF
日本では珍しく期間中全日競技が成立したものです。前述の市川さんが格の違いをみせつけるようにDAY4以外はすべて満点で勝利していますね。この大会では関宿開催ということで(当時地元だった)僕はスタッフにまわっていて、主にタスクセットを担当していました。6日合計で1300km位のタスク距離になって、ようやく日本でもまともな競技会になってきたと思ったものです。反面、アウトランディングの多さにやきもきしました。

(つづく)