20のお手伝い その2

リフトピンのフランジに挿入するシムが到着したとのことで、この週末に前回の続きをすることにしました。
シムをいじるまえに、リフトピンの前と後ろの幅の比較をしてみましょうと提案したのですが、・・これがあまりよいアイデアではありませんでした。
前と後ろのリフトピンの間が同じだったら良かったのですが・・後ろの方が狭いことが判明。残念でした。なんとなくシェンプヒルトのaとbの胴体の差が頭にあって、前後同じかなぁ?と思っていたのですが・・。図面がみたいなぁと思いました。図面に入っている寸法許容差守ればいいところに来るのになぁって。
ということで、前回前側のリフトピンのワッシャー2mmを片側1枚抜いて劇的に改善されたので、それを左右均等にわけて1mmのワッシャーを入れてみるところからスタート。

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こんな感じです。

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メインピンはスムーズに入り、問題なく組み立てる事ができました。
でも、下面の前側の隙間が全くない。ステンレス製の字消し板も入らないくらい。
この部分ちょっと削ってみようと一旦外してペーパーで当たってみましたが、あまり改善されません。
・・この日の作業を考える時に、一つの仮定から胴体のリフトピンの前後の幅の差を計算してみた結果から、もう少しシムの量を増やしてもいいのでは?との話になりました。
その計算とは・・2mmのワッシャーが左右各1枚入っている時に無理やりメインピンを入れて、メインピンを抜くと翼端が前進方向にわずかに振れる傾向があって、その移動量を5mmと仮定した場合の計算です。

1、翼端で5mm機体前方側へ移動と仮定
2、翼付け根から翼端までの距離を7200mmと仮定
3、1と2からtanθで角度θを求める
4、3の結果は0.039788729376896°
5、4の角度から、翼根側の移動量を求める
6、リフトピン間の距離を800mmと仮定
7、4と7からtanθで移動量を求める
8、7の結果は0.55555555555556mm
9、8の結果から、前縁側の左右のリフトピン間の寸法は後縁側の左右のリフトピン間の寸法より1.1mm程度広いものと推定。

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なので、もう少しシムの量を増やしてもいいのでは・・とのことで両側に+0.2mmしてみました。

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組んでみたら、すこしましな感じ。
そこで、もう少し増やしてみよう・・とさらに+0.2mmか、+0.3mmにするかで議論になりましたが、計算結果に近いということで+0.3mmの合計1.5mmにしてみました。

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これがまた、思わず笑みがこぼれるくらいスムーズにメインピンが入り・・。
電動のワンマンリギングがとても便利に使える事が・・オーナーも実感しているみたいでした。メインピンの穴を見ながら電動で動かして「きたきたきた!」といいところで止めてピンがぬーっと入って終わり!。なんてラクなんでしょう。
下面の隙間も安心できるところまで広がりとてもいい感じになりました。またその状態で翼を揺すってみてもとくに気になるガタとかも感じられず、しっかりと組めているようでした。
これでゆきましょうということになり、ナーリングはできないので少し表面をポンチで荒らして圧入。いい感じの抵抗感で圧入完了。無事に終わりました。
とりあえずひと段落です。
雨の止み間を狙っての作業でした。今はスマホで雨雲レーダーのデータ見ながらなのでとてもラクですね。30分後には止むなぁとか言いながらやっていました。

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・・やっぱり20はかっこいい。