プロコフィエフの短編集

プロコフィエフ短編集 (群像社ライブラリー)

プロコフィエフ短編集 (群像社ライブラリー)

ロシアの作曲家、プロコフィエフの短編集を読み終わりました。スウェーデン童話作家、エルサ・ベスコフの香りのする「毒キノコのお話」から宮崎駿を彷彿とさせる「彷徨える塔」「紫外線の気まぐれ」、近所の家々が(全然脈絡なく)思い起こされた小説やら、・・盛りだくさんでくたびれました(笑)。
革命のロシアを離れ、アメリカに亡命するためシベリア鉄道を東へ行き、海を渡って日本へ行く徒然に書いたと、解説に書かれていますが、・・祖国を離れて知らない土地へ行く不安感というのか、喪失感というのか・・、そういったちょっと普通でない心の不安定さを感じる文章でした。作曲家は結局ソビエト連邦となった祖国へ戻るのですが、それを示唆するような印象の物語もありとても興味深く読みました。
この本を読み始めてから、夜中の地震があったり、後ろから衝突されたり、仕事上でひとりぼっち感を感じる出来事があったり、僕の身の回りもまるで物語に引き込まれるように少しネガティブな日常になってしまったりしていましたが、・・立ち直れたかな?。
この作曲家、Weblogがその当時にあったらそれこそ毎日更新しているんだろうな?Twitterにはまっているだろうな、と思いつつ、日記の部分を結構繰り返して読んでいたりします。

この小説を、わざわざ僕のような見も知らぬ人の「ヒントを下さい!」なんていうReplyにTwitterできちんと答えて下さった、ヴァイオリニストの庄司紗矢香さんに感謝します。