すり鉢・・

前に、TP10に載っている「擂鉢論」がいい記事だ、と書きましたがそれについて少し。
日本、特に関東地方のような地面の場所をグライダーで飛ぶには、いろいろと制約が出てきます。また、日本という国柄から来る問題(特に警察と報道)もあります。そのため、飛行場を渡り歩くように飛ぶのが基本になります。この点は、異論のある方も多いでしょうが、「飛行場」という単語を「比較的安全に着陸できるであろうスペース」に置き換えれば大方の人は納得してくださるのではないでしょうか。

でも、意外とこのことを軽視して飛んでいる人が多かったように思います。
つまり、このことを最低限の知識?共通の認識?として持ってもらうには、どうすればよいか、ということが、TP発行人の瀬尾さんにはあったのではないか?と推測するのです。
その結果として目次の次のトップページにこの記事が載ったのではないかと思います。

最近、ちょっと事情があってこのことを説明しなければいけない状況になってしまいました。自分で一から説明するには紙数を費やしますし、直近で刊行されたものの中でいいものはないか?と探した時に真っ先に思い浮かんだのが、この記事でした。
TP10ならまだ十分に入手可能ですし、改めて読んでみたら必要十分な内容で、記述は易しく客観的で、自分で考えて行動することの出来る人になら「はい、これ読んでね」と渡しても大丈夫と思いました。

もちろん、その先のレースやアドベンチャーフライトを目指す人は、それに加えて自分の観察力と感性でアウトランディング不可能なエリアにも入っていかなければならない時がしばしば出てくると思います。でも、国内で日常的に安全に飛ぶのが目的なのであれば、この「すり鉢を渡り歩く」という考え方が基本となり、これを外してはならないのではないかと思うのです。